意図的に傾斜させてインプラントを埋入、さらに既存骨を利用することにより骨移植などを避けることにより患者さまの身体へのストレスを限りなく少なくさせるインプラント治療法です。
10年前までは骨が少ない場合、全てが骨移植などの特殊な治療が不可欠でした。しかし、近年ではインプラント埋入技術の進歩やコンピュータガイド治療の応用により体に優しい低侵襲的なインプラント治療が可能となってまいりました。
無歯顎のような患者さまのあごは、臼歯部の骨量が少なく、さらに骨質も不良な難症例が多いのが現状です。また、無歯顎症例は高齢者であることが多いため、骨移植など大きな外科的侵襲は体力的にも極力避ける必要があります。さらに、インプラント埋入術後数週間の入れ歯の使用できない期間は、十分な食事がとれないなどの消化器器官への影響も問題となっています。ヒトのあごには前歯のあった骨は、骨量および骨質の比較的良好な骨が既存することが知られています。そこで、前歯部の良好な顎骨に最低4本のインプラントを埋入する治療方法であるAll-on-4コンセプトが適応となるようになりました。また、本症例を応用し、1歯から多数歯を失った全ての症例において意図的にインプラントを傾斜させて既存骨を利用する低侵襲性インプラント治療が可能となります。
しかし、本術式ではインプラントが上顎洞や下歯槽神経に近接するため、正確な診査診断のもと手術を行わななければ、重大な合併症や医療事故を起こす危険性があります。とくに、最近ではフラップレスによる傾斜埋入も行われていますが、確実な治療計画のもと必ずコンピュータガイデッドサージェリーを用いた、正確な位置への埋入が推奨されます。
日本人は骨量が少ない傾向にあるため、4本のインプラントだけでの補綴は危険な場合があり、十分な診査が必要である。アジア人へのオールオン4コンセプトでは、4~6本程度で安全性の高い治療計画を立案することが重要となる。
本症例の治療内容 | 本治療は上下顎無歯顎の症例であります。特に奥歯の歯がない症例であり上顎4本下顎4本ミニマムの最小本数のインプラントを意図的に傾斜させて一番骨の重要なところに入れる方法になります。また骨の条件が本ケースは良かったために、コンピューターシュミレーションした上で機能的・審美的に良好まところにインプラントを入れ、その日のうちに上下とも仮歯を作成して回復させた症例であります。最小本数で歯を作れるということが最大のメリットでありますが、4本のインプラントで十分に耐えるだけの骨が存在することが重要である。 |
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費用 | 上顎:380万円(税別) 下顎:350万円(税別) |
考えられるリスク | その日のうちに仮歯を入れて噛めるようになるがために、場合によては骨とインプラントが結合しない場合もあります。その際の治療費については保証(無料)させて頂いております。 |